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宮川愛李セルフプロデュース第3弾「ノベル」オフィシャルインタビュー
SPECIAL
2024.10.11
●9月7日に開催したワンマンライブ「More Fun!!」について感想を聞かせてください。
宮川
準備の段階から瞬く間に時間が過ぎていって、終わってから気づいたらもう3週間も経っちゃってて!! 5年ぶりにワンマンライブが出来るということで色々計画しながら、心の準備も含めて練習時間が足りないって焦りもあったんですけど、いざ始まってみると物凄く楽しくて、あっという間に終わってしまいました。その日一日を大きい目標に掲げて「全力でやりましょう!」とスタッフさんとも一丸になってやってきたので、終わった途端に燃え尽きたまではいかないけど、寂しかったり、その反面やり切った充実感から次へのモチベーションが上がってきたり……、色んな気持ちが湧いてくるとても意味のあるライブになりました。
●メジャーデビュー前に赤坂BLITZで行った1stライブ(2019年4月11日開催)を振り返ってみると、様々な成長を感じられるステージになったのではないでしょうか?
宮川
十代の頃にデビューした私にとって、この5年間は人生においてもちょうど大人になっていく準備期間にあたる時期だったと思います。このお仕事を通じて色々なことを学ばせていただき、アーティストとしてだけではなく人としても大きな変化が感じられる日々となりました。 デビューの頃から応援してくれてるファンの方たちには、今回のライブでアーティストとしても人間性においても大きな成長を感じてもらえるステージになったんじゃないかな、そうなっていたら嬉しいなと思っています。
●最後に思わず込み上げてくるシーンもありましたね。
宮川
ファンの皆さんからもお話し会などで度々、「愛李が泣くところ想像出来ない」って言われるくらい、私自身もライブ中に感情的になることはあまりないと思っていたんですよ。一人で練習するリハの時には結構感情的になりやすいんですけど、自分以外の人がいる時はわりと冷静というか……。ライブ本番では頭は冷静に、だけど心の内は熱い思いをたくさん込めながら歌っていたのですが、最後の方にそのバランスが少し崩れてしまって、感情部分がピークに達して色々な思いが込み上げてきてしまいました。今振り返ると、感情のコントロールが出来なくなるくらい夢中で過ごした時間だったと思います。
●ワンマンライブでは、新曲「ノベル」も初披露されましたね。観客の皆さんの盛り上がりを見て手応えを感じたのでは?
宮川
テンポ的にノリノリの曲ですが、今までとはまた違うタイプの自然と縦乗りになっちゃうような曲で、これまでの宮川愛李の印象にはない作品に仕上がっていると思います。ライブではこの曲のセットリストの順番を一番悩んだんですよ。どこに持ってきて、どういう風に披露しようかって。あんまり重々しく真面目に発表してもこの曲の良さやライブで歌うからこその魅力は生まれないような気がして、新曲を発表するわりには軽めの紹介で披露しました。だからこそのグルーヴ感というか、観客も一丸となって心地よく乗れる空間が生まれたのかなと思います。皆さんがいっぱい協力してくれたおかげで、初動としてはめちゃくちゃ楽しい発表になりましたし、次のシングルとして発表出来る自信が持てるようにもなりました。
●そもそもライブを意識して作った曲だったんですか?
宮川
前作「ただし好きとは言ってない!!」は元々「ライブ映えする曲を作ろうよ」という話から始まったんですけど、今回はそこを意識して作り始めたわけではありませんでした。でもこれは私の制作あるあるなんですけど、毎回一番初めにテーマにしたかったものからちょっと外れてくるんですよ(笑)。作っていくうちに目指すイメージが変わってきて、そっちに方向を変えたくなっちゃうみたいな。今回も最初はもう少し爽やかな曲をイメージして作っていたはずなんですけど、気がついたらEDM調のサウンドですごくポップな感じになっていました。路線はズレていきましたが、結果的に新しい宮川愛李をみせられる面白い楽曲に仕上がったなと思っています。
●“新しいサウンドに挑戦したい”という意欲から生まれたのでしょうか?
宮川
新しいことに挑戦したい気持ちは常に持っていますね。アーティストとして「これが宮川愛李だ!」ってものがまだ無いと感じていて、それを確立するための表現力を身につける努力だったり、自分に合うサウンドの探求だったりは続けていきたいと考えています。だから今回特別に「新境地」を意識したわけではなく、何にでも幅広く挑戦する制作スタンスの中で計らずもこうしたサウンドになっていったという感じです。
●ちなみに、クラブ系の音楽はプライベートでは聴きますか?
宮川
聴きます。でも何か1つのジャンルに固執して聴くってことはなくて、いわゆる王道のロックやポップスも聴けば、Hip Hopや電子音ゴリゴリの曲、インストゥルメンタルも積極的に聴きますし、音楽は全般的に興味があります。
●流行りの曲をランダムに聴く感じでしょうか?
宮川
興味を持った曲は片っ端から聴くようにしています。一種の宝探し感覚というか、沢山ジャンルもあれば曲数もあってどんどん更新されていく中で、人知れず埋もれていっちゃうような音楽を見つけ出したいみたいな。まあ、遊び感覚ですね(笑)。読書も好きでよく本屋さんに行くんですけど、音楽同様1つのジャンルが好きというタイプではなくて、いっぱい並んでる本の中から目を閉じて手に触れた本を選ぶみたいなこともしちゃうんです。音楽もランダムで聴いて、「いい曲だな」って引っ掛かったらそのジャンルを深掘りしていくみたいなことが多いですね。行き当たりばったりみたいなことは人生の中でも大事にしているので、音楽の聴き方もそういう風に楽しんだり、学んだりすることが多いです。
●愛李さん特有の感性ですね。さて話を作品に戻して。今回のアレンジは前作同様に藪崎太郎さんが担当されていますが、発注の際何かリクエストはされましたか?
宮川
最初にリファレンス(参考)を送るんですね。「こういうテンポ感で」とか、「今回は生音というよりも電子音で」とか。かなりアバウトではあるんですけど、自分の頭の中のイメージを出来るだけ積極的に伝えるようにしていて、それをアレンジに落とし込んでサウンドの形にしっかり構築してもらっています。
今回の曲では間奏にラップ調の声(音)が入っているんですけど、これも私からのリクエストを汲んでアレンジの段階で藪崎さんが入れてくれたものです。私が面白いなって思える音を選んでくださるセンスが素晴らしい方で、出来上がったサウンドはいつも興奮しますね。「これこれ!! こうやって歌いたいんですよ〜!」みたいな(笑)。
●メロディの抑揚が少なく、言葉数が多いということも影響してか、ヴォーカルは声を張らずに、語るような歌い方をしていますね。
宮川
感覚的に自分の中に生まれてくるメロディや歌詞を大事にしたいと思っているので、滑舌などを考えずに作詞、作曲してしまうところがあるんですね。だから毎回そうなんですけど、最初のレコーディングの時に「歌えるのか、これ?」って思っちゃうんです(笑)。特に今回の楽曲は今までの中でも文字数が多くて、実際歌ってみても「早っ!! 難しい!!」みたいな(笑)。でも歌っているうちにだんだん馴染んでくるので、完成してみて「無理だ!」って思うことは一度もなくて、今回も最終的に楽しくレコーディングを終えることが出来ました。
●歌詞とメロディ、どちらが先に出来ましたか?
宮川
今回はほぼほぼ同時でしたね。デモが出来上がったタイミングで1サビの歌詞は決まっていて、そこは最後までほとんど変更を加えていません。インパクトが強い言葉選びが出来た時は、「ここをベースに作っていこう」みたいな感じで全体を広げていくことが多いんですけど、今回はそれが顕著に現れた進め方をしていて、「1サビに対してどういう展開にしていこうか?」という感じで、歌詞と一緒にメロディも考えていきました。
●最初に出来たという1サビには、かなりドキッとする歌詞も登場しますね。
宮川
みんな誰しもが「本当に見せたい本心の部分」と「実は心にしまっておきたい部分」があると思うんですね。アーティストって自分の思いを表現するにあたってそこのバランスのせめぎ合いに苦しむものだなって、セルフプロデュースを重ねていくにつれて感じるようになっていきました。
「心」っていうものが明確に定義出来ない分曖昧になっちゃう部分もあると思うんですけど、今回の曲はそれをうまく表現出来てるかなって。自分の作品の中では、心の深い部分を曝け出してる方になるんじゃないかなと思いますね。度合いは違えど、誰しもが心の中に強い言葉を使いがちな部分や闇っぽい部分も秘めていて、それは人間なら自然なことであって決して悪いことではないと思うんですよ。それを許容するというか、「そういう部分があってもいいんだよ」って自分自身を慰めるみたいな、そういう意識で制作した歌詞ではありますね。
●今のご自身の心の内がリアルに現れているということでしょうか?
宮川
まあ「今の自分がこういう風に考えているんです」って表現出来るのは過去の経験があるからであって、今までの経験が積み上がっての今のこの感情だなっていうのが前提としてあります。いつも全速前進の気持ちで過去を振り返ることなく、かといってこれまでを蔑ろ(ないがしろ)にしているわけでもなく、今を生きるために経験も大切にしていきたいって気持ちは常にあって、そういうものは毎回歌詞にも出ていると思います。
●タイトルの「ノベル」は、直訳すると「小説」という意味になりますね。
宮川
はい。シンプルに1サビに「小説」というワードが出てくるので、今作の歌詞の中で最もインパクトのあるこの部分から取るのがいいかなと考えました。それに「歌詞が長いな、文字数が多いな」って思った時に、もはや一編の物語を読んでるような気持ちで歌詞を楽しんでもらえるんじゃないかなと思ったので、それも含めて「ノベル」というタイトルをつけました。
●タイトルはスムーズに決まりましたか?
宮川
今回も毎度のことながらギリギリまでタイトルを決められなくて(笑)。毎回スタッフさんに「決まらないよ〜」って泣き言を言って助けを求めるんですけど、私は本当に捻くれた人間なのでみんなから出してもらっても「え〜、なんかな〜」って却下しまくるんです(笑)。でも、実は誰かにアイデアを出してもらうとそれが刺激になって、「じゃあこうしたいな」って自分からアイデアが湧いてくるので、そういう私のことを理解してくれてるスタッフさん達は「じゃあ自分で考えろよ」とか言いつつも毎回協力してくれます。
●セルフプロデュース3作目となりましたが、制作環境には慣れましたか?
宮川
制作スタッフさんとの空気感に慣れてきたのが一番大きいですね。楽曲作りは正直まだ慣れてはいなくて毎回苦しみながら、「あ〜もう本当に分からな〜い」って爆発する時もあるんですけど、そういう部分も含め沢山サポートしていただいています。私の特性も理解して尊重していただけているからこそ伸び伸びと制作が出来ている実感があって、感謝も含めてメンタル的には不安なくとても良い環境で制作を進めさせていただけています。
●6月にはご自身プロデュースの大運動会もありましたが、ファンとの交流の中で改めて感じたこと、印象に残ったことはありますか?
宮川
日頃からファンの方と密接に交流するイベントを計画しているんですけど、そういう場所で作り上げた絆が5年ぶりのワンマンライブを開催出来るきっかけになってるんだなって改めて感じることが出来ました。自分自身もイベント一つ一つを全力で楽しんでいますし、そこに乗っかってきてくれるファンの方がいたからこそ、宮川愛李として伸び伸びと活動を続けていられるんだなって改めて実感しました。
私は元々性格的に突飛なことを思いついて行動に移したいタイプなんですよ。日常的にも友達に急に電話して「今から散歩行こうよ」みたいな自由な所があって、そういうことに付き合ってくれる人間がいるし、そういう部分から自身の個性やアイデンティティが作られてるって実感することが多くて。ライブやイベントでも私の作る世界観を一緒に手伝って一つになってくれるファンの方達やスタッフさんの存在は本当に大切にしていきたいと痛感しています。
●5周年YEARを迎えた「現在の宮川愛李」の立ち位置を表すと?
宮川
音楽の経験の浅さや知識の少なさの自覚は今もなおあって、そこに関しては継続して勉強していきたいと考えています。デビューから5年経った今、アーティストって完成することがない仕事かなと感じていて、常に成長していたいし、常に変化していたいなって。この先ベテランって言われるキャリアになっても固定されたくないというか、いい方向に進んでいけるよう常に挑戦し続けていたいなと思っています。
ワンマンライブが終わったばかりで「もっとこうしていきたい」みたいなモチベーションが今ピークかもしれないんですけど、他のアーティストさんと関わった後も刺激されたり、積極的に活動している時こそ成長のチャンスが訪れるなと。だからこれからも対バンイベント然り、ラジオ然り、アーティストだけじゃなくて様々な表現者の方々と沢山関わっていきたいと思っています。
●では最後に、今後の野望について教えてください。
宮川
前作のインタビューでもお話したかもしれませんが、やっぱりセルフプロデュースの楽曲でフルアルバムを作ってみたいですね。あとはライブを沢山やりたいです。今回5年ぶりに開催できたライブに沢山の方が足を運んでくれましたが、東京のみの開催になってしまったので、他の地域にお住まいの皆さんにも自分から会いに行けたらいいなと。なので、東名阪ツアーを目標にまた自分の世界観を色々と作り上げて、ファンの方々からも「会いに行きたい」と思ってもらえる存在であり続けたいと思っています。
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