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宮川愛李「魅惑のカレイド」オフィシャルインタビュー
SPECIAL
2020.05.25
●自粛生活の中、どのようにお過ごしですか?
宮川愛李
犬の世話をしたり、部屋の掃除をしたり、ラジオの配信をしたり、とにかくずっと家に居ますね。音楽的なことでは、作詞をしたり……、あと少しずつ作曲にも挑戦していますが、まだ始めたばかりということもあって、一人だと何だか効率が悪いな〜という気がします。それに誰かと近くで話し合いながら物事進めていく方が性に合っているので、正直心細くはありますが、今は我慢! 一人一人の意識が未来を変える力になると思うので、この状況を受け止めて落ち着いて楽しく過ごしています。
●そんな中5/27にリリースされるデジタル配信で新曲「魅惑のカレイド」はどんな風に制作していきましたか?
宮川愛李
去年の春〜夏くらいに3曲くらい並行して制作していたデモの中の1曲なんですけど、今回作品化に向けて改めて歌詞を書き直して、レコーディングし直しました。
●レコーディングは通常通りスタジオで行ったんですか?
宮川愛李
はい。本格的に制作に取りかかったのは3月上旬頃で、まだ巷でコロナウイルスの話が話題になり始めた頃でした。スタジオでのレコーディングは消毒をした上で安全な環境の中行ったんですけど、今ほどは厳戒態勢っていう雰囲気でもなかったですね。その後、急速に世の中の状況が変わってしまって、ここ2カ月はずっとレコーディングできていません。今思えば「魅惑のカレイド」を無事レコーディングし終えることができて良かったです。
●歌詞は前作「プリムラ」の流れを汲んだ、切ない恋模様が描かれていますね。
宮川愛李
基本的には恋路線の内容になっているんですけど、100%恋愛ソングということではなくて、人の思いの強さだったり、大切な人に対する一途な想いだったりを歌で表現できたらと思って綴った歌詞になっています。
●歌詞には「あなた」「貴方」「アナタ」「Anata」と、色々な表記の“あなた”が登場しますが、そこにはダブルミーニングが込められているんですね。
宮川愛李
そうですね。「あなた」を指しているのは特定の人の場合もあれば、心の中にいる様々な大切な人、忘れられない人……そういう人達みんなを指して歌っているところもあります。
●「細胞ハジける 恋してる」といった瑞々しいフレーズや、「午後6時 青とオレンジ」「恋の温度に 溶ける」「教えてあげたい裸足の痛み」「重なった目と手」など、五感を刺激されるフレーズが印象的でした。
宮川愛李
最近は好きな曲やアーティストさんの歌詞を意識しながら聴いたり、勉強させてもらいながら自分の作詞にも生かすようにしています。ついカッコいい言葉や難しい表現を自分の歌詞にも使いたくなっちゃうんですけど、あまりきっちりし過ぎたり、文学風になりすぎるのも違うかなと思って。だから、自分の感情や感覚だけで書き進めるところと、頭で考えながら言葉選びをしていくところと、半々な感じですね。色だったり、空気だったり……、情景を感じさせたり、五感を刺激させるようなフレーズに関しては、自分の感覚から湧き出てきたフレーズが多いと思います。
●ちなみに、「教えてあげたい裸足の痛み」の、“裸足の痛み”とはどういう意味ですか?
宮川愛李
大切な人のことを思っている時って、心がすごく繊細になりやすいじゃないですか。相手の些細な言動で悲しくなったり、辛くなったり、嬉しくなっちゃったり。「裸足の痛み」というのはそういう状況を比喩したフレーズになっています。例えば、裸足で棘を踏むと痛かったり、足の裏って敏感じゃないですか。だから、「私はあなたの言葉の上を裸足で歩いているような、心を開け放った無防備な状態で接しているから、敏感に傷ついたり、落ち込んだりしちゃうんだよ。この辛さをあなたにも教えてあげたいよ!」みたいな、そういうことを表現しています。
●「あの子の小慣れた笑窪に 絆される」というフレーズはリアルですけど、日常の中から切り取ったフレーズですか?
宮川愛李
実際あったという訳ではないですけど、「からかわれてみたり、彼女の笑顔や言葉に上手くまるめこまれて困るな〜」みたいな。主人公の不器用な恋愛の様子を表現したつもりです。
●前作「プリムラ」でも感じましたが、“ちょっと不器用な主人公”というのは愛李さんの歌詞の特徴にもなりつつありますね。
宮川愛李
そうですね(笑)。それが自然というか、言ってしまえば私の心の内なのかもしれないですね。作詞を重ねるごとに、私が伝えたいこと、心の中が形になっていくようで、自分自身も面白いです。
●他に作詞面でこだわった点はありますか?
宮川愛李
今作に限りませんが、語感を重視して韻を踏んでみたり、言葉のリズムをメロディに合わせてみたり、サウンドを生かすような言葉選びは毎回意識しています。また、あえて話し言葉を取り入れてみたり、今回の歌詞で言えば、“冗談ぽく「好きだよ」って ちゃんと 聞いてないでしょう? もういいよ”みたいな、胸の内で自分に語りかけるようなフレーズを取り入れることによって、私のファンの大半を占める同年代の子達に共感してもらえるよう工夫してみました。
●会いたい人に会えない今のような状況だからこそ、より一層大切な人を思い返してしまう楽曲にもなっていますね。
宮川愛李
きっと辛い思いをしている人が沢山いらっしゃるでしょうし、そういう人達に共感してもらえる歌になるのであればすごく嬉しいです。
それに、イベントが中止になってファンの方々もすごく残念がってくれて、何かしたいなという気持ちでラジオやライブ配信をしていますけど、そもそも“応援してくれるみんなに伝えたいことを歌で届けたい!”という気持ちからアーティストを始めたので、自分の言葉で書いた曲を発信することが何よりの恩返しになるのかなって。そういう思いも今回の曲には込めているので、是非受け取ってもらえたらと思います。
●「魅惑のカレイド」というタイトルにはどんな思いを込めていますか?
宮川愛李
タイトルは最後につけることが多いんですけど、今回も最後でした。最初は違うタイトルにしていたんですけど、結構悩んでこっちにしましたね。
「カレイド」というのはギリシャ語で「二度と同じ形には戻らない」といった意味があって、そこに「魅惑」を付けて、「同じ形はない唯一無二の美しさ」「一生に一度の美しい姿」という意味合いで名付けています。
●サウンドも前作「プリムラ」の流れを汲んだ軽快な曲に仕上がっていますね。こうした「ポップ感+ロック感」なサウンドは、愛李さんのガーリーでありつつもマニッシュなヴォーカルと絶妙に相性がいいですよね!
宮川愛李
ホントですか! そう思っていただけるのはとても嬉しいです。これくらいアップテンポな曲が自分としても好みなので、楽しくレコーディングできたし、サウンド感もすごく気に入っています。
●ということは、レコーディングは順調だったんですね!
宮川愛李
それが、歌いやすくはあったんですけど、一回歌った後に流して聴いてみた時に、「なんかデモの時の方が良かったよね」って話になったんですよ。1年経ってレコーディングし直したものを聴いた時に、明らかに声質が変わったなって自分でも感じました。
●レッスンを重ねる事によって、歌唱力や表現力がアップしたんじゃないですか?
宮川愛李
確かにデビュー当時と比べたら、レコーディングにも慣れてきましたし、歌い方のテクニックも学んできたので、それを成長ととらえればプラスではあるんですけど、今回は歌唱力というよりも、当時の精一杯背伸びして歌っている感だったり、勢いやフレッシュさみたいなものが逆に良かったよねと。
●それでどのようにして歌い直したんですか?
宮川愛李
地道な作業だったんですけど、最初に録ったデモを何回も聴いて、「ここはもっと地声で」とか「ここはもっと感情あらわに」とか、少しずつ録り直していきました。今の等身大の私もちゃんと表現しながら、さらに以前の良さも織り込みつつ、スタッフさんにも協力してもらって根気よく追求していきましたね。
●ジャケットデザインは前作「プリムラ」に続いて、今回もアートですね。
宮川愛李
求愛行動/yuiさんというプロップスタイリストさんに手掛けていただきました。今回は想いを伝える恋愛形の歌詞という事を踏まえて、「ぜひコラボしてみたいデザイナーさんがいるんですけど!」と、ジャケット写真のデザイン会議の時に私から名前を挙げさせていただきました。
●以前から交流のあるデザイナーさんだったんですか?
宮川愛李
いいえ。パキッとした綺麗な色合いの、女性らしい表現をする方だなって、一方的に私が気になっていて、今回初めて声をかけさせていただきました。
●どんな風に作り上げていったんですか?
宮川愛李
yuiさんの表現の仕方も大事にして欲しいし、yuiさんのクリエイティブによってより一層曲の世界観を引き出して欲しいってところもあったので、私からは最初に「例えば女性の首元とか、柔らかく艶っぽい女らしさみたいなものを、パキっとした色合いで表現して欲しい」、「濡れ感みたいものも出したい」など、ざっくりとしたイメージだけ伝えました。するとyuiさんから、「凍った林檎を使ってみたい」とか、「彫刻像を使おうと思うんですけど」と、色々アイデアが上がってきて写真撮影へと進んでいきました。少ないキーワードから、アーティスティックな世界観へと昇華させていくyuiさんの発想力に驚かされましたね。個人的にとても気に入っています。
●今回MVは制作しますか?
宮川愛李
本来ならMVでももっと表現が広げられたんじゃないかと思うんですけど、時期が時期ですし、今のところ制作は予定していません。その分、前回出した「プリムラ」のMVに注目していただけたら嬉しいですね。「プリムラ」も今作同様に自分の思いを強く込めた作品になっていて、本格的に演技に挑戦したのはあのMVが2回目なんですけど、初々しい私の表情や、歌詞に描かれた繊細な一面も表現したつもりなので、細かく見ていただけたらと思います。
●「プリムラ」のMVをまだ見ていない方には、今回の作品をきっかけに是非見ていただきたいですね!
宮川愛李
はい。それからいつもリリース記念のタイミングにライブ配信をやっていて、今回も企画しているのでそちらもご覧いただけたらと思います。
●では最後にメッセージをお願いします。
宮川愛李
コロナ禍の中、「卒業間近だったのに友達ときちんとお別れもできなかった」とか、「この春から新しい生活が始まったばかりなのに友達を全然作れない」とか、悲しい声も沢山届いています。ファンの人達の中には、私が中学生の頃からずっとSNS上で応援してくださっている方も沢山いて、そういう人達は私と一緒のペースで年月を重ね、近い距離で共に人生を過ごしてきた、いわばファンであり友人のような存在なんです。そんな特別な人達が辛い思いをしてると聞くと、何とも言い表せない気持ちでいっぱいになってしまいます。私に何ができるか分からないし、できることなんてほんの小さい事かもしれないけど、アーティストとして応援してもらっている身の私から、どうにかみんなに勇気を与えたり、前に進む力を届けたい!! そんなありったけの思いを込めた一曲をプレゼントしたいという気持ちで制作をしました。これからもそういう気持ちで活動していきたいと思っているので、今後共よろしくお願いします!!
●こういう局面に、つくづく音楽の力は偉大だな〜と感じますよね。
宮川愛李
はい。こうやってファンの方と暫く会えない時期が続いたおかげというと変な言い方になってしまいますが、一層自分が伝えていかなきゃって、力に変わっていくものはあったと思います。今は悲しかったり、辛かったりもするけど、今回のことで気付けた気持ちはこれからも忘れずに、音楽活動に生かしていきたいと思います。楽しみにしていてください。
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