宮川愛李「アオレイド」オフィシャルインタビュー
●今作「アオレイド」は、TVアニメ「シュート!Goal to the Future」(7/2〜OA)のオープニング主題歌を担当していますね。
宮川愛李 タイアップのお話をいただいて、そこから楽曲制作が始まりました。今回のアニメは、1990年から2003年までの約13年間にわたり週刊少年マガジンで掲載され、1993年にアニメ化された「シュート!」が完全オリジナルで、未来の学生たちの新しいストーリーが展開していくそうです。私が生まれる前から連載している漫画で、アニメや映画化もされるなど大変歴史ある人気作品の主題歌を担当させて頂けるということで身が引き締まる思いでした。
●ちなみにスポーツもののアニメは見ますか?
宮川愛李 はい。自分自身が運動にそこまで才能があったわけじゃないので、憧れの気持ちで見ますね。スポーツって男子系が熱い感じがして動きも派手で迫力があって好きなんですけど、自分ができなかった高く飛んだり、速く走ったりっていうのは見ていてとても気持ちいいので、純粋に羨望の眼差しで見ることが多いです。
●タイトルの「アオレイド」は造語ですか?
宮川愛李 タイトルは周りから聞いたことがない言葉にしたいと思いました。「アオ(青)」はタイアップのアニメがサッカーを題材にしている所からイメージが湧きました。サッカーって芝生の上で、晴れた青空の下思いっきり駆け抜けて全力で楽しむスポーツという印象があったので、そういう爽やかさみたいなものを感じて欲しいと思って選びました。また、「レイド」は英語で“強襲”という意味があるんですけど、サッカーのキックオフ(試合開始)から、“勢いよく始まる”みたいなイメージが湧いてきて、そこからこの言葉を「アオ」に繋ぎ合わせて、「アオレイド」と命名しました。
●歌詞について愛李さんはいつも「受け取り方は聴き手の想像に委ねたい」と話していますが、今回は誰もがストレートに受け取りやすい内容になっているかなと感じました。
宮川愛李 そうですね。もちろん今回も聴き手の想像に委ねたいというのは変わらないんですけど、完全にアニメに寄せてというわけではありませんが、やはりタイアップの世界観を大切にしつつ書いていきました。弱い心を再び立ち上がらせるような、力強さをイメージして制作していきました。
●失敗に怯えていつまでも前に進めない人の背中を押してくれる歌詞になっているかと思いますが、同時にコロナ禍で鬱屈とした日常から徐々に気持ち的にも外に飛び出して、活発に動いていこうという爽快感を与えてくれる一曲でもあると感じました。
宮川愛李 『Reboot』(2021年1月発売の4th Digital SG)の時にも、全然ライブができなくて気持ちが沈んでしまって、そこからリスタートの意味を込めて作った曲なんて話をしていたんですけど、まだそういう所から微妙に燻ってる気持ちもある中での制作だったので、もがいて苦しんでみたいな自分の心の内にじっくり入り込んで書けた歌詞にもなっていると思います。
●疾走感溢れるサウンドも大きな特徴ですね。
宮川愛李 レコーディングでは、しっかりと大地を踏みしめて走っている、爽やかさと安定感みたいなものが感じ取られる楽曲だなって感じながら歌っていきました。いよいよ試合が始まる!みたいなイメージを頭の中で想像しながら、サビに向かってどんどんテンションを上げていったり、場面や心理状況が自分の中でイメージがしやすい曲でもありました。
●アジアン・テイストを取り入れたアレンジも印象的です。愛李さんのキュートで、ちょっぴりやんちゃなイメージと似合いますね。
宮川愛李 今の私の等身大にぴったりのサウンド感だったり、速さ的にも全力で歌い切るのにちょうど気持ちのいいテンポ感だったり、心揺さぶられるアレンジに仕上げていただけて私自身とても感動しました。
●肺活量がいりそうな曲だなとも感じましたが、実際のヴォーカル・レコーディングはいかがでしたか?
宮川愛李 私は基本的に伝えたいことが多すぎて歌詞を詰め込んじゃうことが多いんですけど、今回もアップテンポな上に言葉をぎゅうぎゅうに詰め込んでいるので、聴き手側には目まぐるしさみたいなものが感じられるかもしれないですね(笑)。でも、自分的には歌っていてとても気持ち良かったです。タイアップのアニメでは掛川高校サッカー部が再起していくストーリーが描かれていくんですけど、そこに登場する部員たちの思いだったり、この曲に込めた私自身の思いみたいなものを感じ取っていただけたら嬉しいです。
●曲もさることながら、MUSIC VIDEOがとてもキュートですね! ご自身が出演されてここまでポップなMVは初めてではないでしょうか?
宮川愛李 そうですね。そもそも発表している作品がまだそんなに大量ではないので、やること全てが初めての挑戦みたいな感じで進んでる最中なんですけど、それでも今回は今までのイメージをガラッと変えるような表現が沢山できたんじゃないかなと思います。
●色々なアクションをしていますね。
宮川愛李 いっぱい動きました(笑)。スポーツをするシーンが色々登場するんですけど、私がこれまで唯一スポーツの中で経験したことのあるテニスや、タイアップに寄せてサッカーボールを思い切り蹴ったり、シャドーボクシングしたり。新しい挑戦をMVにも沢山取り入れて、何にでも興味のある宮川愛李が色んなことを吸収して吐き出していくっていう、多様性っていうんですかね、これからどういう道に進むのか未知数みたいな部分をMVで表現できたらと思いました。いい意味でうるさいというか、目がチカチカしちゃうくらいカラフルなMVにしたいという思いがあったので、事前にスタッフさんとイメージを共有しておいて、撮影当日の動きはほぼアドリブで行いました。
●ちなみにMVに出てくる犬と女性の絵はどなたが描いたのものですか?
宮川愛李 あれは私が描いたんですけど、だいぶシュールになっちゃって(笑)。犬は特に私の想像よりかなりシュールになってしまって。まずタッチがこのMVの世界観と全然違くて、「コレはちょっと悪目立ちするな〜。観た人が途中で、『ん??』って絶対なるな」って思ってるんですけど、まあそれはそれでいい抜きの部分だと思っていただければ(笑)。2枚私が描いた絵が出てきますので、探してもらえればなと思います。
●Degital Singleが7/3配信リリース、そして7/20にはタワーレコード限定で、初のミュージックカードも発売となりますね。
宮川愛李 今回初めてCDやデジタル配信とは違った形態で作品を発表させていただくことになりました。
●ミュージックカードというのは、形態(仕様)が、CDではなくカードになったという捉え方でいいのでしょうか?
宮川愛李 そういう認識が分かりやすいかもしれないですね。カードには楽曲だけじゃなくて、おまけ的な感覚で、だいぶゆる〜いいつも通りの私を感じてもらえるような「ボイス」も入れさせてもらっています。家にいる時とテンションが変わらない私の素の感じをこれまでにも色々配信しているので昔からのファンの方はよくご存知かと思いますが、「アオレイド」を機に宮川愛李を初めて知っていただく方にも、一発で「こういう子なんだ」って分かるくらいのインパクトの強いものを提供したいと思っています。
●「ボイス」って具体的にどんな内容なんですか?
宮川愛李 カードは、「おはようver.」と「おやすみver.」の2種類あるんですけど、「おはようver.」は朝聴いてもらってちょっと元気出せるようなボイスメッセージを収録しています。朝起きてからの私のルーティンみたいなことだったり、朝ごはん一緒に作って食べるまでのシチュエーションだったり、起きてから私と一緒に行動してすっかり目が覚めるまでを一緒に楽しむことができるみたいな内容になっています。「おやすみver.」はその夜版ですね。一風変わった珍しいアイテムになっています。
●「おやすみver.」に収録の、「アオレイド」のTV size English ver.も気になりました。
宮川愛李 アニメが海外でも配信されるということで、英語バージョンのオープニング主題歌も歌わせて頂けることになりました。
●アジアン・テイストが感じられたり、サウンド的にも海外の方にウケそうですね。
宮川愛李 どんな反応が返ってくるか、新たな挑戦をする度に楽しみが増えます! 英語の歌詞で作品をリリースするのは初めてで、洋楽のカバーすらやったことがないので、とにかく頑張りました(笑)。その一言に尽きます!
●アクセントとか、ニュアンスとか難しかったですか?
宮川愛李 難しかったです。もともと洋楽がすごく好きで色々研究したりできていればコツを掴むのもだいぶ早かったかもしれないですけど、テンポが早いってのもあって戸惑っちゃった所はありますね。気持ち的にも、海外圏の皆さんに届けられること自体結構プレッシャーなので、「アクセントが合ってるのかさえわかんないよ、どうしよ〜!!」ってなっちゃったんですけど、英語が分かるスタッフさんに支えてもらって、だいぶみっちり仕上げました。 色々なアニメの曲を担当させてもらう中で、海外のファンの方にも応援していただけるようにちょっとずつなってきているので、言語が違う地域の皆さんにもしっかり歌を届けられるように今後もっと成長していきたいです。
●海外のファンの方ともSNSなどで交流があるんですか?
宮川愛李 Twitterは日本語でしか発信しないのであまりないんですけど、インスタライブなどは比較的見てくれやすいみたいで、だいぶリアクションをいただくようになりました。
●リリースイベントも久しぶりの開催となりますね。
宮川愛李 「Sissy Sky」(2019年11月6日リリース)以来なので、本当に久しぶりです。コロナの影響で直接ファンの方達に会える機会がなくなってしまっていたので今回すごく楽しみです。過去に訪れた土地にも再び伺う予定なので、沢山の方と再会できたら嬉しいです。 11月18日には「あいりとファンミ〜秋祭り編〜」も開催予定なんですけど、私はみんなを困らせたいんですよ! 以前運動会をやった時みたいに、歌手なのにこういうイベントもするんだってみんなを戸惑わせたくて(笑)。「これはどういうテンションで参戦したらいいの?」みたいなイベントをこれからもどんどん開催していきたいと考えています。 今回のリリースイベントはあくまで新曲のご紹介ということで、ミニライブをメインに企画しています。
●困らせる=楽しいことを提供し続けたいということでしょうか?
宮川愛李 困らせるというか、その根底にはサプライズみたいな意味があって、面白いことしたくなっちゃうんですよね。今の時代もう珍しくないですけど、私はSNS出身のアーティストってことで、強い個性だったり、人と違うことをしたいみたいな気持ちがあって、その中でやれることと言ったら楽しいと思えることを共有したり、ファンのみんなと一心同体でありたいって意識が常にあるんですね。今年の「あいりとファンミ〜秋祭り編〜」もだいぶ私のやりたいことが詰まった飽きないイベントになると思うので、ぜひ皆さんのご参加をお待ちしています。
●では最後に「アオレイド」について改めてメッセージをお願いします。
宮川愛李 「力強くしっかり地面を踏んで前に進んでいこう!」という太いメッセージを私なりに込めているので、テンション上げたい時や、元気出すために聴いていただけたら嬉しいです。