宮川愛李「プリムラ」オフィシャルインタビュー

SPECIAL

2020.04.01

●制作はいつ頃しましたか?
宮川愛李今年の1〜2月頃です。以前はスタッフさんにアドバイスをいただきながら歌詞を完成させていましたが、今作は完全に自分だけで書き上げた、初書き下ろし作になっています!
●歌詞はどんな風にできていきましたか?
宮川愛李Paravi独占配信「恋んトス season10」のテーマソング用にというお話をいただいた上で制作が始まったので、まず最初に恋愛ソングにしようと決めました。その後、大枠のストーリーを描いて、そこからリズム感を大事にした言葉選びや、一度聴いただけで頭に残るフレーズを意識しながら、カフェで書き上げました(笑)。割とスムーズでした!
●デモの段階から疾走感溢れる曲だったんですか?
宮川愛李はい。私は疾走感のある元気な歌が好きで、今回はまさにそういうサウンド感だったのでワクワクしました。その高揚感が、冬から春に切り替わる新しい季節や生活が始まっていくイメージとリンクしたんです。それで、冬を背景にした恋愛ソングを描いていこうと決めました。デモの段階からテンポ的にも歌いやすいし、歌詞のイメージも湧きやすくて、私に合うタイプの曲だと思いましたね。恋愛の歌ではありますが、“聴いてくれる皆が新しい生活の始まりに上手くエンジンをかけられるように!”という想いも込めています。
●歌詞にタイトルの「プリムラ」は登場しませんね。
宮川愛李タイトルは一番最後につけました。前回の「Sissy Sky」もかなり悩んだんですけど、今回もタイトルは最後まで悩みましたね(汗)。「プリムラ」は冬から春にかけて咲く花の名前で、世界で約600品種あり、種類ごとに違う花言葉を持っています。詳しく調べてみると恋に関する花言葉が多く、中でも有名なものに “青春の恋”というのがありました。今回は、“すれ違い、離ればなれになっていった男女のその後の話”を歌った恋愛ソングになっているので、「ぴったり!」と思って「プリムラ」にしました。
●ジャケットの花はプリムラですか?
宮川愛李曲のイメージに合わせて、画像加工してもらっているので本物(生花)ではないですけど「プリムラ」です。「プリムラ」って小さい花を複数咲かせる品種がポピュラーなんですけど、中には茎が伸びて1輪の花を咲かせる品種もあるんです。今回は、大人になりたい、背伸びしたい気持ちや、恋をしている時の孤独な気持ちを表現したいと思って、茎の長い1輪の白い花にしました。途中、色とりどりの小さな花が沢山咲いている品種もビジュアル的に可愛いと思ったんですよ。でも可愛さだけがこの歌の全てではないと思って1輪の方にしました。
●白い花から、「冬」や「純真さ」といったワードも思い浮かびました。また1輪から「凛とした感じ」も伝わってきましたが、そのあたりはいかがですか?
宮川愛李そこは意識していますね。「冬の恋」だから色は白がピンと来たし、他にも茎の微妙な長さにこだわったり、根っこも付けてもらったり……、ジャケットのアイデアは私が出させてもらいましたが、かなり細かいディテールにまでワガママ言って作っていただきました。ジャケットから主人公達の気持ちや、曲全体の世界観が伝わればいいなと思います。
●1番と2番で一人称が入れ替わるところも面白いですね。
宮川愛李1番は女の子(私)の気持ち、2番は男の子(僕)の気持ちを描いています。出逢ってからお互い自分の気持ちに気付きつつも一歩勇気を出せなかった二人は、一緒に過ごしていた時に交わした約束をまだ覚えているけど、春を迎えてそれぞれ新しい道を歩んでいくという内容になっています。惹かれ合っていながらも結ばれることはなかったけれど、二人で過ごした大切な想い出を胸に前に進んでいくという、明るくもちょっぴり切ないお話になっています。
●「Sissy Sky」でも感じましたが、今回も「弱いから」「怖いんだ」「言葉にしたくて言えないんだよ」など、愛李さんのキャラクターからは想像つかない弱気なフレーズが登場しますね。実は恋愛においては奥手なタイプなのでしょうか?
宮川愛李ラジオで初オンエアした時にも、「切ない歌詞だね。愛李ちゃんもあんな恋してたのかな?」というコメントをリスナーさんからいただいたんですけど、正直こんなに深く誰かを思ったことはまだないし、実際そうなった時に自分がどうなるか想像がつかないですね。恋愛の歌詞はあくまで想像で書いています。でも、ただただお互いを信頼し合って、心を許し合った中での別れというのは美しいな〜と思いますね。離ればなれにはなってしまうけど、お互いの存在がそれぞれの背中をこれからも押していくよ、みたいな。そういう関係に憧れはあります。
●恋愛ソングではありますが、青春時代、キラキラした時間はあっという間に過ぎ去ってしまう人生の儚さ、切ないさも感じ取れますね。
宮川愛李そうなんですよ。実は制作していたのが2月で、「高校卒業します!」みたいな後輩たちのSNSの投稿を目にして、「私も1年前まではJKって言葉使えてたのに、もう言えないんだ〜!」って何だかやけに寂しくなってしまって。高校生活の写真がいっぱいあるんですけど、流し見したら一瞬だし、高校3年間なんて人生の中の一瞬の出来事だったんだなって実感しちゃって。卒業式はワ〜ワ〜泣くタイプじゃなかったんですけど、今更「戻りた〜い!」って、やや後悔も混じりつつ、苦しくなってしまいました(笑)。
皆には自分の気持ちに大切に向き合いながら、かけがえのない時間を後悔のないように過ごしてもらいたいし、好きな人がいる場合は純粋に向き合って欲しいって……この曲にはそんな想いも込めています。
●MVはどんな映像になりますか?
宮川愛李今回は私が一人旅をしている設定で、少しずつ外の空気に触れながら、様々な表情を見せていくという構成になっています。(取材時には)まだ編集中なんですけど、映画の1シーンみたいな、ノスタルジックな世界観のMVになると思うので、曲とのギャップもぜひ楽しんでください!
●アーティスト写真も映画のワンシーンのような雰囲気のある写真ですね。
宮川愛李「鳥と私と青空」の写真ですね(笑)。今回、全てのアートワークについては自分の意見やイメージをかなり反映させてもらいました。アーティストとしての感性も高められた作品になったと思うし、そうやって表現者として成長しながら、宮川愛李というアーティスト像を構築していけたらと思っています。
●テンポが早いですが、しっかりと感情が込められたヴォーカルになっていますね。
宮川愛李レコーディングは割とスムーズに、楽しくイメージ通りに歌えました。
●内なる強さが感じられる、愛李さんのキャラが表れたようなヴォーカルも印象的でした。
宮川愛李照れるな〜(笑)。ありがとうございます。デビューした頃は自分の思い描いていた理想とのギャップがあり過ぎて、自分の声を好きになれなかったんですよ。今も好きとは言えないですけど、でも今回は、自分の声だからこそ出せる心の叫びみたいなものを表現すればいいんだと、真っすぐに臨みました。
●サウンドは非常に華やかですね。
宮川愛李今回も豪華な演奏陣に参加していただきました! 余談なんですけど、レコーディング最中ちょうどバレンタインの時期で、挨拶に伺った時にマカロンを手作りして持っていったんですよ。ずっとお菓子作りは苦手だったんですけど、マカロンに挑戦しました(笑)。そしたら物凄く喜んでくださって! 皆さん「すごいね」っていっぱい褒めてくださって、すっごく幸せでした。素敵なバンドメンバーの皆さんに手作りを食べてもらって大丈夫だったかなって心配したんですけど、なんとギターリストの西川進さんが後でブログに載せてくれていて!! 嬉しかったです!! 私から皆さんへの感謝を込めた差し入れだったのに、逆にパワーをいただきました。
●人に喜んでもらうのって、幸せですよね。
宮川愛李はい!とても温かいメンバーさんに支えてもらって、今回も素敵なレコーディングになりました。そして、少なからず私のマカロンパワーがより一層素晴らしい演奏へと導いたんじゃないかな〜とも思っております(笑)。
●去年から今年にかけて、ライブの他にもイベント参加やラジオのパーソナリティなど色々経験しましたね。
宮川愛李初ツアーは沢山の方達に支えられて、「これから何があってもくじけずに頑張っていこう」という強い決心が生まれた、一生忘れられない想い出になりました。その他にも去年秋にはファンの皆さんと運動会をしたり、昨年11月にはラジオのイベントで大阪と兵庫の高校に訪問もしました。大阪では校内放送をジャックしたり、渡り廊下で歌わせていただいたり。私一人(バンドなし)での歌唱だったんですけど、生徒の皆さんがすごく盛り上げてくださって、めちゃくちゃ楽しかったです。兵庫では書道部の皆さんとコラボパフォーマンスを披露したり、貴重な経験になりましたね。
SNSをはじめ、応援してくださるファンの方たちと近い距離で交流できる関係性っていいなと思うし、これからも工夫して色んな企画を考えていきたいです。
●世界中が大変な状況ですが、そんな時だからこそ愛李さんの元気パワーをSNSなどでも発信していただきたいです。
宮川愛李色々なライブやイベントが中止や延期になっていますが、そういう時こそ私の曲で少しでも元気づけられたらと思います。自粛疲れで皆遊びたいのは分かるけど、「今は我慢よ!」って。是非、私の曲やラジオを聴いたり、「恋んトス season10」を見たり、お家でゆっくり過ごしてくださいね!
●「プリムラ」は高揚感溢れるサウンドで、自然と前向きになれる曲ですから、リスナーへの良いプレゼントになりますね!
宮川愛李そうなれば嬉しいです!!
●最後に2020年の目標は?
宮川愛李歌以外にも色んなことに挑戦したいって気持ちもあるんですけど、今年はもっと音楽にのめり込んでいきたいという思いの方が強いです。デビューしてから様々なプロの方とご一緒させていただき、レベルの高い演奏や、クオリティーの高い音楽に触れさせていただいたことによって、感じることもいっぱいありました。デビュー2年目を迎える今年は、アーティストとしての自分を形成していくには大事な時期かなと思っています。とにかくライブをいっぱいして、もっともっと音楽を追求する一年にしたいです。

Digital Single『プリムラ』宮川愛李